こんにちは、あさぺんです。
自校作成校に合格するための勉強法を、各教科ごとに解説します。
なお、この記事で対象としている自校作成校は、
【進学指導重点校】
- 日比谷高校
- 戸山高校
- 青山高校
- 西高校
- 立川高校
- 国立高校
- 八王子東高校
【進学重視型単位制高校】
- 新宿高校
- 墨田川高校
- 国分寺高校
以上10校です(国際高校は想定していません)。
自校作成校合格のための特別授業
このページの内容を別角度から解説した動画を作りました。理解を深めるのに役立ちます。時間のある時に観てください。
目標設定
さて、まずやって欲しいことは「目標設定」です。志望校合格に向けて、最終的にどのくらいの実力を身につけていればよいのかを知っておきましょう。
これを知ることで、多くの受験生が陥りがちな「時間と手間のムダ」を回避することができます。つまりライバルに差をつけられます。
点数の目安
一般的に合格ラインとされているのは
350点 / 500点
つまり「7割」得点です。あなたの内申点がライバルよりも圧倒的に低いとかでない限り、この点数をとれれば合格できます。
その点数を達成するべく、各教科の得点目安を以下のように提案します。
- 国語 60点
- 数学 60点
- 英語 60点
- 理科 85点
- 社会 85点
主要3科の目標
自校作成校受験の場合、主要3教科は独自問題です。80~90点を安定して得点するのは簡単ではありません。
そこで、主要3教科は各60点をとることを目標とします。3教科で合計180点です。
もしかしたら国数英各60点と聞いて、「厳しい!」と感じたかもしれません。ですがこの点数であれば、このサイトで解説している勉強法で十分達成可能です。
理社の目標
理科社会は共通問題と同じですから、安定して高得点を狙いたいです。できれば90点以上を取りたいところですが、ここ数年、理社は難化傾向にあるため各85点以上と現実的に達成可能なラインで算出しました。
これなら理社それぞれ3問ミスまでは許されます。2教科で合計170点以上計算です。※ さらっと書いていますが「現実的に達成可能」という考え方は非常に重要です。
合計
これらを合計すると、
180点+170点=350点
つまり、7割達成できます。これだけ得点できれば、どの自校作成校でも合格圏内です。
冒頭でも書いた通り、この点数はあなたの内申点によってブレます。
どの高校を受けるのに、どのくらいの内申点が必要かは、模擬試験の結果や市販の高校紹介本に書いてあるので参考にしてみましょう。
あと私の方でも、自校作成校受験に必要な内申点について、解説記事を作りましたので参考にして下さい。
※重要なのは「思考法」なので、八王子東が志望校じゃない人にも役立ちます。
では、各教科の点数目安を算出できたところで、
- 国語 60点
- 数学 60点
- 英語 60点
- 理科 85点
- 社会 85点
これらを達成するための勉強計画をお話します。
自校作成:国語で60点以上取る
やることと時期が分かる図を作りました↓
自校作成校合格のために、国語でやるべきことは
- 漢字トレーニング
- 速読トレーニング
- 小説・評論の読み方・解き方トレーニング
- 過去問演習
以上の4つが基本です。
1:漢字トレーニング
自校作成校の試験において、漢字は重要な得点源です。1問でも落としたら、それだけでライバルに差をつけられると思っていいです。
漢字の勉強法については、別記事で説明する予定です。今後こちらに記事URLを張るので、細かい勉強法はそちらを参考にしてください。
2:速読トレーニング
文章を速く正確に理解するためのトレーニングです。
自校作成校で出題される文章には、長く複雑な内容のものがあります。そういった文章を制限時間内に読み切り、理解し、正答を導くには、速読トレーニングが不可欠です。
しかも近年は、どの教科も長文化のトレンドにあります(汗)
速読の重要性を説明する学校や塾を見たことがありませんが、他の項目同様、マストに必要なトレーニングです。
3:小説・評論の読み方・解き方トレーニング
小説とは物語形式の文章のこと、評論とは環境問題とか文化とか芸術とかについて書かれた、ざっくり堅苦しい文章のことです。
これら小説/評論には、よりよく理解し、正答を導き出すための読み方と解き方があります。
この読み方と解き方を知っていると、国語がまるで数学の公式を当てはめたようにスッキリと解けます。
これは非常に強力な武器で、高校受験はもちろん、大学受験(東大とか京大とか早稲田とか)にも通用するテクニックです。
こちらについては、正直、本気で勉強する人にしか教えたくありません。いずれオンライン講座で解説する予定なので、本気で取り組む人は登録してみてください。
4:過去問演習
共通問題と自校作成問題の両方を使います。
共通問題は、先の読み方と解き方を定着させるために用います。
自校作成問題は、↑を踏まえて、より複雑で長い文章に対応できるようにするために用います。
詳細については別記事で解説予定です。
==以降、修正中です(202404)==
自校作成:数学で60点以上取る
まずは全体像。
- 中学3年分の単元を終える
- 過去問(共通)で安定して8~9割取れるようになる
- 過去問(自校作成)で慣れる
続いて期限。
中学3年分の単元を終えるのは、8月上~中旬までに行えると良いです。
中学3年で学ぶ単元
- 多項式
- 平方根
- 二次方程式
- 二次関数
- 相似
- 円周角(★)
- 三平方の定理(★)
- 標本調査(★)
これらを先取りしつつ、同時に1~2年生の単元の復習を行います。
※ 1・2年の復習は可能な限り早くから始めましょう(できれば中2の3月とかから)
独学や、塾の進行スピードの関係で、8月中にすべてを終えられないこともあります。
そういう場合は★の部分を後回し、すなわち9月以降にしましょう。
★を9月以降に回した場合、次で説明する過去問(共通問題)のうち、大問4と大問5が解けないことがあります。
そのときは、最初に大問1や大問3の対策に力を入れると良いです。
共通問題の過去問演習は、8月からはじめて10月中に終わらせたいです。
理想のゴールは、
- どの年度のどの問題を見せられても、瞬間的に”解き方”が思い浮かび
- 制限時間内に8~9割を取れる
こういう状態です。
この状態を作る方法は、過去問の使い方にて解説しています。
さて、共通問題の過去問が余裕になったら、いよいよ志望校レベルの過去問演習です。
ただ、いきなり志望校の過去問を使い切ってしまうのはもったいないです。
まずは1年分だけ解いてみて、それ以降はしばらく他の自校作成校の問題を解くのをオススメします。
過去問の使い方は先ほど紹介した「過去問の使い方」と同じです。
これを11月から始めて、入試までの約3ヶ月間みっちり対策します。
もし決定的に穴になっている単元がある、例えば平面図形が壊滅的にできないなどの場合は、共通問題や学校のワークに立ち返ることも必要になります。
この辺りは、臨機応変さが求められます。
あなたの弱点を見抜ける人に相談しましょう。
私の感覚ですが、数学は一度コツを掴んでしまえば、安定して高得点を狙いやすいです。
得意な人も苦手な人も、パターンを意識して勉強すると一気に成長します。
自校作成:英語で60点以上取る
まずは全体像から。
- 中学3年分の文法を学ぶ
- 長文を読むための基礎を身につける
- 過去問(共通)で安定して8~9割出せる
- 過去問(自校作成)で慣れる
+単語ノートを作成し、常にボキャブラリーを増やし続ける。
続いて時期。
まず中学3年生になったら、単語ノートを作成しましょう。
これを作り正しく活用することによって、あなたの長文をスラスラ読めるようになります。
詳細はこちらの記事で紹介しています。
これは入試当日までずーっと継続します。
中学3年分の文法を学び終えるのは、1学期中を目安にします。
1~2年の内容を網羅した問題集などがあると便利です(なくても大丈夫)。
英語は数学よりも学ぶことが少ないので、十分達成可能な期限です。
この時期に学ぶ英文法とは、英文を読むことを第一目標にします。
決して( )を埋めるタイプの問題を解くためではありません(ここ重要です)。
自校作成校を受験する場合、やや難しい英文を素早く大量に読みこなさなくてはいけません。
そのときに「えっと、この使い方は…」なんて考えていると時間が足りなくなってしまいます。
ですから、まずは読むための英文法を身につけること、これを意識するのが良いです。
もちろん、自校作成校では単語を並び替える問題が出題されることがあり、その対策も必要になります。
でも、それは秋以降からで間に合います。
話が逸れたので戻します。
中学3年分の単元を学び終えたら、あるいは学んでいる最中でも構いませんが、長文を読むトレーニングを始めます。
このトレーニングとは、「/読み(スラッシュ読み)」のことです。
/読みについては既に他の記事で紹介していますから、そちらを参照してください。
みっちり練習すれば2~3週間で身につけられます。
あまり真剣に練習しないと1~2ヶ月くらいかかります。
1学期の期末テストが終わった後から取り組んでも構いませんし、文法学習の進みが良ければ、もっと早い段階から取り組んでも構いません(3年になる前とかでもOKです)。
ただ、長い期間ダラダラやるよりも、短い期間でも集中して取り組んだほうが身につきやすいです。
/読みを理解し、ある程度自分で/を入れられるようになったら、共通問題の過去問に挑戦します。
英語が得意な人は、最初からガンガン解いてOKです。
英語が苦手な人は、まずは1年分の大問2や大問3を使って、長文を読むことに慣れると良いです。
英語の過去問の使い方はこちらで紹介しています。
どんな苦手な人でも、適切にトレーニングすれば、1~2ヶ月で共通問題レベルの長文には慣れます。
最初は「うへぇ、こんな読むの…」と思った英文が、1~2ヶ月後にはノンストレスで読めるようになるのです。
8月中から共通問題に取り組んだとして、10月中にはある程度できるようになります。
共通問題の過去問を一通りマスターしたら、つまり、
- どの英文もスラスラ読めて
- 50分の時間内に8~9割以上取れるようになったら
志望校レベルの過去問演習に移ります。
※もし8~9割取れないようでしたら、その原因を解明することを優先します(これも受験勉強に詳しい人に相談しましょう)。
こちらも数学同様、志望校の過去問を使い切るのはもったいないです。
1年分やって雰囲気を掴んだら、同レベルの他校の問題に挑戦しましょう。
11月頃から始めて、入試直前まで3~4ヶ月かけて対策を続けます。
そしてその間、単語ノートや英作文対策、リスニング対策などを行います。
自校作成:理科で85点以上取る
理科と社会の勉強法は、共通問題の受験生とほとんど変わりません。
まずは全体像を見てみます。
- 基礎知識を身につける
- 過去問演習
- 問題集演習
続いて期限と詳細。
基礎知識を身につける=学校のワークや市販の問題集を何周も解くことです。
これを8月が終わるまでにやっておくと良いです。
完了の目安は、どのページの問題を見ても「ああ、これは○○でしょ」と即答できる状態。
- 見るだけ勉強法
- ○△×法
を組み合わせれば、10周以内にこの状態になれるはずです。
勝負は最初の1~3周。
この段階は×だらけで嫌になりやすいのですが、ここを乗り越えると一気に勉強が加速します。
乗り越えるコツは
- 1問考えたらすぐ答え見る
- 各ページ2周やってから進む
- タイムアタック
この3つです。
より詳細な説明は、理科の基礎知識の身につけ方で解説しますから、そちらの記事を参考にしてください。
上記で書いていませんでしたが、8月中にやるのは”これまでに習った単元”だけで構いません。
まだ習っていない単元の独学は、どうしても効率が悪くなります。
未習の部分は、秋以降、学校で習ってから取り組めばOKです。
また「なぜこの答えになるのか?」や「この単元の内容忘れたわ!」という場面が必ず出てきます。
そういうときは、私に連絡をいただければ、その単元の解説動画を作成します。
一人で悩み続けるのは非効率ですし、学校の先生に質問するのもなかなか時間を食います。
ですから遠慮せず連絡してください。
さて、基礎知識が身についたら、過去問演習に移ります。
詳しい方法は、理科の過去問の使い方にて解説しています。そちらを参照してください。
おそらく多くの人が9~10月に取り組み始めると思います。
ですが、このときに難点があります。
先ほどもお伝えしたとおり、まだ習っていない単元が出題されるのです。
ですから、過去問を解いていて”未習の単元”に出会ったら、その大問ごと飛ばしてしまうのが吉です。
私の提案する理社の過去問のやり方は、大問ごとに行えるようになっています。
未習の単元を含む大問を飛ばしたとしても、問題なく進められるので、無駄に悩まずにサクッと先に進んでしまいましょう。
もちろん、飛ばした問題は分かるようにしておいてくださいね。
最後に問題集演習です。
いくつかの記事でもお話していますが、2021年2月の理社は結構エグい出題でした。
それまで時間切れになることなんか一度もなかった子が、「時間が足りなくて最後の大問できなかった」と青ざめた顔をしていました。
それまで80点前後で安定していた子が、50点台をとっていたり。
どのように難しくなったかは、また別記事で考察していますが、とにかく2022年以降の入試でも同様の傾向になる可能性があります。
2021年以前の受験生がやっていたような勉強法”だけ”では、高得点を狙えないかもしれないんですね。
このような理由で、過去問演習の後に、更に加えて問題演習を提案しています。
使う問題集は、自分の実力+αレベルが望ましいです。
塾に通っていて、そこで使用している問題集があればそれで構いません。
もしなければ、市販の問題集を購入しましょう。
おすすめの問題集は近日中に調査し、他の記事でご紹介します。
問題集演習は、過去問への取り組みが終わった時点からスタートします。
11月下旬~12月上旬が目安でしょうか。
過去問演習で作成した「過去問ノート」を随時復習しつつ、ガリガリ問題集を解いていくイメージです。
自校作成:社会で85点以上取る
社会の勉強方針は、理科とほぼ同じです。
- 基礎知識を身につける
- 過去問演習
- 問題集演習
8月が終わるまでに、ワークや問題集を周回して基礎知識を身に着けます。
周回時は、
- 見るだけ勉強法
- ○△×法
を組み合わせると効率的。
どのページの問題を見ても「ああ、これの答えは○○だね」と即答できる状態を目指す。
最初の1~3周がキツイので、
- 1問考えたらすぐ答え見る
- 各ページ2周やってから進む
- タイムアタック
の3つのテクニックを使うと割とスムーズに進められます。
このとき、授業の進度によっては未習の範囲が出てくるので、そういう部分は学校で習ってからでOKです。
未習部分を独学するのは、あまり効率的ではないので…
基礎知識が身についたら、過去問演習へ。
こちらも理科同様、社会の過去問の使い方にて解説しています。
基礎知識定着を8月までに終えていれば9月から、人によっては10月からになるかもしれませんが、そのくらいの時期からスタートします。
このときも、習っていない単元、特に公民は未習部分が多いはずなので、そういうところはサクサク飛ばしてしまいましょう。
そして、1ヶ月後とかに再度挑戦すると良いです。
過去問演習が一通り終わったら、最後に問題集演習です。
理科のところでもお話したとおり、2021年2月入試は難しい、というか点を取りにくい問題が多かったです。
そして問題文の量が多く、時間管理も難しかった。
ですから、今後の入試ではそういった傾向が継続することも視野に入れて勉強をしておく方が吉です。
そこで、過去問演習だけで終わらせず、別途問題集を解いておくと良いでしょう。
社会についても、おすすめの問題集を別記事にて紹介しますから、お待ち下さい。
過去問演習が一区切りつく、11月下旬~12月上旬から始められるように、学習を進めておきましょう。
まとめ
ここまで、「自校作成校に合格する勉強方針」についてお話しました。
- 国語 60点
- 数学 60点
- 英語 60点
- 理科 85点
- 社会 85点
これら点数の目安をベースに、
- どうやったらこの点数を超えられるか?
- 中学3年生が無理なく超えられる勉強方法は?
の視点から勉強法を解説しました。
冒頭でもお伝えしたとおり、これら点数目安は、あなたの内申点や他の受験生のレベルによって変動します。
内申点が低かったり、他の受験生のレベルが高ければ、もう少し高めの設定にする必要があるかもしれません。
ですが、勉強方針の根幹は、この記事で紹介したとおりです。
その勉強法を
- どのくらいの丁寧さで
- どのくらい繰り返すか
によって伸びが変わってきます。
この記事には、かなり多くの情報を詰め込みました。
それこそ、学校や塾の面談なんか比較にならないくらいの情報量です。
ですから、ぜひ二度三度と繰り返し読んで、頭に叩き込んでおいてください。
自分の勉強計画を、友人やご両親に説明できるくらいになれれば素晴らしいですね。
そのために記事のブックマークをオススメします。
最後に、このページで紹介した全てのURL(+α)をまとめておきます。
■ 合格に必要な内申点は?
■ まず何から手を付けていいかわからない場合
■ 各教科過去問の使い方
理社は準備中です。
■ 各教科ごとの勉強法一覧