一年中、公園で遊んでばかりいた小学生が、偏差値72の高校を経て、旧帝国大学に合格するまでのストーリー。
一年中半袖半ズボンの少年
よく遊ぶ元気な小学生でした。
学校から帰ると、すぐに公園で缶蹴り三昧。
小学校のクラスに年中半袖半ズボンの男の子が一人や二人いたと思います。
それが私です。
勉強については、そんなにできる子供ではありませんでした。
クラス全体で真ん中くらい。
得意科目はありませんでしたが、苦手な科目とか、嫌な科目はありませんでした。
振り返ると、これは大変幸せなことだったと思っています。
おませな中学生は推理小説にハマる
小学校まで私の勉強レベルは「並」でしたが、ここで転機が訪れます。
中学1年生の頃、友人にシャーロック・ホームズ(の本)を紹介されたんですね。
三毛猫ホームズ然り、名探偵コナン然り、推理モノは好きだったので読んでみたところ、、、
見事にハマりました。
シャーロックホームズ、ご存じですか?
彼ってめちゃめちゃ格好いいんですよ。
いわゆる一般常識みたいなものはからしきなんです。天動説と地動説を知らないレベル。
でも、特定の分野に著しく秀でてるんです。
例えば、、、
現場に落ちてるタバコの灰からタバコの銘柄を特定したり、
毒物に関して異常なまでに詳しかったり、
靴についてる微量の土からロンドンのどこを通ってきたとか分かっちゃうんです。
そこに強烈に憧れを抱きました。
きっと漫画とかにも影響されやすい性格
「自分もホームズのようになりたい!!!
でも、どうすればなれるんだろう…」
当時の私は考えていました。
そして、、、
「とりあえず学校の勉強程度は余裕でわからないとダメだよな!」
という結論に至りました(笑)
なんと単純な思考回路でしょう。
中学校最初の定期テストでは中の上くらいの成績でした。
悪くはないですが、特別優れているわけでもありません。
そこで私は考えました。
「あのくらい勉強するとこの成績になるのか…
じゃあ次はもうちょっと勉強時間を増やしてみよう。」
「英語のテストではこういう問題が出題されるのか…
じゃあこのプリントは重点的にやっておこう。」
こんな試行錯誤を継続した結果、
中学2年生の2学期中間テストでは5教科合計で学年1位に。
(学年1位を取れたのはそれが最初で最後です笑)
高校受験は都立八王子東高校(自校作成校)を志望。
受験時の内申点は9科合計40。
周りの受験生に比べると少し低めでした。
ですが、入試本番の得点は5科合計402点(平均80点)、余裕の合格でした。
このような点数を取れたのは、当時通っていた学習塾の先生のお陰だと感じています。
うぬぼれた高校生活
高校時代の勉強スタイルは「非効率&無駄」の塊でした。
まず、
「学校の授業についていければ、入試で必要な力は自然とつく」
という学校側のメッセージを鵜呑みにしたことが間違いでした。
↑は進学校でよく言われる文句なのですが、これを疑うことなく鵜呑みにしてしまったのです。
進学校といえども、教えるのがうまい先生もいればうまくない先生もいます。
自分と感覚の合う先生もいれば、合わない先生もいます。
効率的な勉強法を提示できる先生もいれば、提示できない先生もいます。
こういうことを考えなかったんですね。
だから、
学校の授業を何にも優先させ、志望校の過去問演習を疎かにしたり
授業の説明をなんとか理解しようと何時間も悩んだり
という非効率かつ無駄な時間を過ごしてしまったのです。
数学の問題1つやるのに60分かけて「うーん」と唸っていたこともありました。
そしてそれで勉強した気になっていたんです。
今だったらこんな非効率なこと絶対にしません。
行きたい学校が決まっているなら、そこに特化した勉強をします。
ですが当時は、
「学校の授業についていければ、入試で必要な力は自然とつく」
を盲信していたんですね。
学校や先生を信頼していたといえば聞こえはいいですが、まぁ要するに思考停止です。
そんな勉強を続けていたので、当時受験した大学は全滅。
浪人生活が幕を開けました。
驕った考えをボコボコにされた予備校
勉強含め、考え方に大きな転機があったのはこのときでした。
運命の人と出会ったのです。
予備校時代、出会った先生のほとんどは「普通」の人でした。
が、一人だけ、ものすごい人がいました。
それが「神様」です(笑)
「神様」というのは僕がその先生をこっそり呼んでいた名称です。
神様は当時たくさんの逸話を話してくれました。
- センター試験の国語を20分で解いて満点
→本来の試験時間は80分、大問を1つ解くだけでも25分かかったりします - 高校時代、日本史の授業では仏像の台座の高さとかまで覚えていた
→「太字とか全部覚えちゃって暇だったから(本人談)」
などなど。
嘘みたいな話ですよね(笑)
そしてこの先生が「現代文を論理的に解く方法」を教えてくれたのです。
「現代文を論理的に解く方法を教えられるってすごいことなの?」
と思うかもしれません。
実は、それまで私が出会った国語教師のすべてが「現代文を論理的に解く方法」を教えてくれませんでした。
教えてくれなかったのではなく、教えられなかったのかもしれませんね。
教科書の解説はできても、入試で点数を上げるための勉強法は教えられませんでした。
答えの根拠となる部分を解説できても、どうしたら答えの根拠を見つけられるのか?を説明できませんでした。
「自分で考えながら読むと自然とわかるようになる」
「とりあえずたくさん問題を解くといい」
「日頃からたくさん本を読むことが大切」
このようなことしかアドバイスできなかったのです。
………ですが「神様」は違いました。
- 現代文の問題を解く上で必須の知識と使い方
- 本文や問題文を読むときに意識するポイント
- 難しい内容を理解しやすくなる読み方
などなど。
まるで数学の問題を解くような感覚で、理路整然と現代文を解く方法を説明してくれました。
そして、その読み方の効果を自身で証明していました(先程の偉業たち)。
「神様」の授業をみっちり受けた私は、半年後のセンター試験を現代文満点で突破しました。
多くの学習塾では、センター現代文は50分かけて解くと教えていますが、私がかかった時間は30分。
他の受験生に大きく差をつけてのフィニッシュでした(これでも「神様」的には遅いくらいですが)。
このような予備校時代を過ごし、翌年の春、無事東北大学に合格できたのでした。
大学生活とその後
大学入学後、様々な経験をしました。
合唱団で指揮者として活動し、
一般企業に就職しサラリーマンとして生活を送り、
人生の目標を果たすために起業をし、
そして現在に至ります。
どの段階においても、目の前の状況を楽しみ、興味を持ち、「なぜだろう?」「どうしたら上手くいくだろう?」と試行錯誤を続けられたのは、学生時代の勉強のおかげだと確信しています。
「勉強」という行為を通して、
- 身の回りのことに興味を持ち
- 原因を解明し
- 根気強く解決法を探り
- これらのことを楽しむ
ことを学べたのです。
だからこそ、自分よりも下の世代にも「勉強」の素晴らしさを伝えたいと思いました。