中学1・2年生のうちからできる、都立入試対策をお話します。
あなたが中学1・2年生で、今のうちから受験に向けて何かしておきたい!と思ったら、こちらのページで紹介していることに取り組んでください。
- 成績を5に近づけておく
- 「なぜ」と「じゃあ」
- 中学2年の学年末テスト以降から、中学1~2年の復習を始める
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
1:成績を5に近づけておく
まずやるべきことは、成績を5に近づけておくことです。
都立入試は、
- 入試の点数
- 調査書の点数
この2つの点数の合計で、合否が決まります。
1つ目の入試の点数は説明不要ですね。
2つ目の「調査書の点数」というのは、あなたの学校の成績を点数化したものです。
オール5が満点で、そこから成績が下るごとに調査書点も下がっていきます。
調査書点として使われるのは、中学3年の2学期の成績です。
そこでなるべく良い成績を残せると、入試本番前に他の受験者(ライバル)に差をつけられます。
逆にライバルよりも成績が低いと、志望校を変更するか、入試本番でより高い点数を取らなくてはいけません。
ですが、あなたもご存知の通り、成績というのはすぐに上がるものではありません。
いくら中学3年の成績が重要といっても、中学1~2年で成績の低かった人が、突然頑張れるようにはならないのです。
ですから、中学1・2年生のうちからなるべく高い数値を残しておきたいです。
良い成績を取る方法については、こちらの記事で解説しています。
あとでチェックしてみてください。
2:「なぜ」と「じゃあ」
2つ目に取り組んでほしいのは「なぜ」と「じゃあ」の思考を癖付けることです。
これは受験に関係なく、超重要なポイントです。
この「なぜ」と「じゃあ」を習慣付けられれば、あなたの頭は勝手に良くなっていきます。賢くなっていきます。
どういうことか説明しましょう。
例えば、以下の問題。
問:( )に入る選択肢を選びなさい。
We played baseball ( )the park.
ア:for
イ:in
ウ:on
エ:at
この問題の答えが「エ:in」だったとしますね。
そしたら、以下のような「なぜ」をたくさん思いつくようになってほしいのです。
「なぜinなの?」
「なぜforじゃダメなの?」
「じゃあonだったらどういう意味になるの?」
「atだったら?」
「どうしたらinが答えだって分かるようになるの?」
このように疑問を増やし、それを調べていきます。
あるいは、理科の授業で、
夏になると小笠原気団の勢力が強まり、日本列島は高気圧に覆われる。
と習ったとしますね。
そしたら、
「なぜ夏になると小笠原気団が強くなるの?」
「小笠原気団が強くなると、なんで高気圧に覆われるの?」
「じゃあ秋になると小笠原気団はどうなるの?」
という具合に「なぜ」「じゃあ」をたくさん思いついてほしいのです。
そして調べられる範囲で調べていく。
もちろん、
「ふーん、夏は小笠原気団が強くなるのね、暗記暗記♪」
となるのがダメとは言いませんし、まずは丸暗記してしまったほうが都合が良いケースもあります。
が、暗記ばかりの勉強をしている生徒は、総じてあまり伸びないんですね。
思考に発展性がない。
平たい言葉を使えば、頭が悪くなる。
一方で、「なぜ」「じゃあ」と発想を膨らませていける生徒は、どんどん賢くなっていきます。
自分から興味を持っていきますから、学んだ内容も忘れにくい。知らないことを知れるから楽しい。
いい事づくしなんですね。
そして、この「なぜ」「じゃあ」の思考は、身につくのに時間がかかります。
ですから、まだ先の長い中学1・2年生のうちから、思考の癖をつけておくことをオススメします。
3:中学2年の学年末テスト以降から、中学1~2年の復習を始める
学年末テストの時期は学校によってずれるでしょうが、中学2年生の3月頃から、これまでの復習を始めると良いです。
といっても、すべての教科をやる必要はありません。
この時期に行うべきは「数学」と「英語」です。
数学で復習すること
これまでに習ってきた基本的なことを思い出すことが目的です。
例えば、
- 正負の計算
- 一次関数
- 作図
- 確率
- 一次方程式
- 連立方程式
等々。
自校作成校や共通問題の上位校(武蔵野北とか)を受験する場合は、これら単元の「基本問題」をスラスラ解ける状態になっていると良いですね。
そうでない場合、つまり偏差値60未満ほどの学校を志望校にしている場合は、できる限り多くの単元の公式や考え方を思い出しておくと良いです。
思い出すと言っても、結局は問題を解くことでしか復習にならないので、例えば、中学1~2年時のワークの「基礎問題」だけに絞って解いてみるのは一つオススメとして挙げておきます。
まとめます。
上位校を狙う人+数学が得意な人
→「基本問題」レベルをスラスラ解けるようになっておく
上記に当てはまらない人
→「基礎問題」レベルを解けるようになっておく
英語で復習すること
最低限、以下の2点を復習しておきましょう。
ここを押さえられていると、中学3年になってからの快適さが段違いです。
- 中学1年で習う英文のルール
- 中学1~2年の間に習う文法の訳し方
1:英文のルール
これはどういうことかというと、中学1年の間に英文の基本となるルールを習うのですが、それをカチッと脳内で整理しておいてほしいということです。
例えば以下の2文、それぞれ否定文と疑問文に変えてくださいと言われたときに、迷わず英文を作れるでしょうか?
- You are a student.
- You play baseball.
試しに取り組んでみてください。
やってみましたか?
答えは以下です。
- You are a student.
- You are not a student.
- Are you a student?
- You play baseball.
- You don’t play baseball.
- Do you play baseball?
この問題に一切の迷いなく答えられた人は、Be動詞と一般動詞の英文の区別がついています。
逆に答えられなかった人・自信のなかった人は、まだBe動詞と一般動詞の英文の形が整理できていないので、解説動画で復習しておくことをオススメします。
今のは、Be動詞と一般動詞についてでしたが、
- 代名詞(SheやTheyなど)を正しく使えるか
- Whatなどを使った疑問文を作れるか
- 複数形を作るときに”s”をつける習慣があるか
- 三単現の”s”がなんだか説明できるか
- ”a”と”the”の違いを説明できるか
等々、中学1年で習う内容を整理しておくのが1つ目です。
2:中学1~2年で習う英文法の訳し方
中学1年で習う内容は、英文の形に関するルールがほとんどですが、
中学2年になると、不定詞や動名詞、比較級、受け身、現在完了形など、色んな文法事項を学びます。
こうした様々な文法事項を使った英文を目にしたときに、
- これは不定詞の「~ための」だな
- 受け身だから「~される」ね
こんな風にサクサク訳せるようになるのが、2つ目にやってほしいことです。
で、ここで注意してほしいのは、あくまで「訳せるようになってほしい」という点です。
これまでの英語の授業って、ほとんど「書くこと」で点数がついてきたと思います。
例えば、( )に入る単語を答えなさいとか、次の日本語を英語に訳しなさいとか。
日本語→英語をたくさん練習させられたと思います。
が、中学2年から中学3年に変わるこの時期にやってほしいのは、英語→日本語にスラスラ約せるようになることです。
「英文を読んで理解できる」状態。
これなら、細かいスペルを覚える必要がないため、比較的短時間でたくさんの単元を復習可能です。
上手な講師に教われば、1~2週間のうちに中学2年分の文法を復習できます。
ですので、1つ目の「英文のルール」に併せて、「中学1~2年の間に習う文法の訳し方」にも取り組んでもらいたいと思います。
+α おまけ
自校作成校や武蔵野北のような上位校を受ける場合は、上記1~2年の復習に加えて、中学3年の先取りを行っておくことをオススメします。
先取りしてほしい教科は「数学」です。
中学3年の数学は、全単元を学び終えるのに少し時間がかかります。
難関校を受験する場合は、過去問演習の都合上、なるべく早い段階で中学3年分の単元を学び終えたいのですが、これまでの経験上、数学はどうしても遅れがちです。
つまり、中学3年の単元を学び終えるのが秋ごろになってしまう傾向があります。
ですので、なるべく早い段階、中学2年から中学3年に変わるこの時期に先取りをしてスタートダッシュを稼けると良いです。
とはいったものの、まだ習っていない単元を独学で学ぶのは、ものすごく時間と労力がかかります。
ですので、いまご紹介した「先取り」については、わかりやすく先取り単元を教えられる人間が側にいることが条件の一つになってきます。
家庭教師や塾などですね。
まとめ
都立入試に向けて、中学1・2年がやっておくべきことを紹介しました。
ざっくり振り返ると、以下の3点です。
- 成績を5に近づけておく
- 「なぜ」と「じゃあ」
- 中学2年の学年末テスト以降から、中学1~2年の復習を始める
絶対に取り組むべきは1番の「成績を5に近づけておく」です。
これが最も入試結果に影響を与えます。
2番の「なぜ」と「じゃあ」は、高校入試というよりも、あなたの人生そのものを左右するレベルで大切な考え方です。
なので、受験云々は置いておいても、取り組んだほうが良いことだと私は確信しています。
3番の中学1~2年の復習は、英語と数学を中心に、必要なところを押さえるようにしてください。
英語と数学の復習が必要だからといって、闇雲に問題演習をするのは、あまり効果がありません。