- 「見るだけ勉強法」で効率よく基礎知識を頭に入れる
- 過去問は周回前提、1回だけで終わらせない
- 80点以上を狙うときは別途問題集も
都立入試の社会の勉強をどのように進めたら良いか?
最近の出題傾向や配点から、最適の勉強法を紹介します。
オススメの勉強のやり方
大まかな順番はこうです。
- 基礎知識を頭に入れる
- 過去問を周回する
- 問題集を周回する(高得点を狙う人向け)
上から一つずつ説明していきます。
1:基礎知識を頭に入れる
まずやることは、基礎知識を身につけること。
地理だったら、
- 都道府県の位置
- 各都道府県の特徴
- 世界の国の位置(主要国)
- 各国の地理的特徴
などなど。
歴史だったら、
- 縄文→弥生…の順番
- 各時代の大まかな流れ
- 各時代の主要な人物・政策
- 大きなイベントの年号暗記
などなど。
公民だったら、
- 憲法の条文
- 円高ドル安などの理屈
- 国や自治体の仕組み
などなど。
このような、問題を解く上で基本となる知識をバンバン頭に入れていくのが第一段階です。
で、このときにおすすめなのが、見るだけ勉強法。
見るだけ勉強法について
文字通り「見るだけ」で行う勉強のやり方です。
具体的なやり方はこう。
- ワークと答えを机に並べる
- ワークの問題を1問見て、その答えを頭に浮かべる
★考える時間は1~3秒ほど - すぐに答えをチェック
- 正解でも不正解でも次の問題へ
普段、学校でやらされるやり方と何が違うかというと、
- 書かない
- 1問ごとに答えを見る
- 1問を10秒内で終わらせる
- 最終的に5~10周くらいする
この4点です。
人間の記憶のメカニズムに則った方法です。
このやり方だと、暗記にかかる時間を相当大幅に減らせます。
本当はここでその理屈も説明したいのですが、それを説明すると長くなるので割愛します。
とにかく、社会の勉強の第一歩は基本知識を頭にいれること。
そしてそのオススメのやり方は「見るだけ勉強法」だよってことです。
2:過去問を周回する
基本知識が頭に入ったら、過去問を解きはじめます。
★ここでは「過去問」と書いていますが、これまでに受けた「模擬試験」を使ってもOK
オススメの過去問の使い方はこちらの記事で紹介しているので、あとで見てください。
3:問題集を周回する(高得点を狙う人向け)
ここは↑にも書いてあるとおり、高得点を狙う人向けの話です。
高得点とは80~100点のこと。
あとで詳しく説明しますが、2021年2月入試で社会の出題傾向が変わりました(変化の兆しを見せました)。
どういう風に変わったかというと、2021年以前よりも点数が取りにくくなったんです。
つまり、高得点を狙いにくくなった。
2021年までは、基礎知識を定着させ、過去問や模擬試験をグルグル回していれば80点以上も狙えました。
ですが、2021年2月入試から、それが難しくなったんですね。
ですから、過去問演習に加えて、高得点を狙う人は別途問題集をやった方が良いと私は考えています。
もし塾に通っていて、そこで問題集を購入していればそれで良いですし、
持っていなければ、本屋さんで問題集を買ってきましょう。
…といっても、自分で問題集を選ぶのって難しいですよね。
こちらでオススメの問題集をまとめているので、参考にしてください。
まとめ
私のオススメする社会の勉強のやり方を紹介しました。
最初からおさらいすると、
- 基礎知識を頭に入れる
- 過去問を周回する
- 問題集を周回する(高得点を狙う人向け)
の流れで進めると良くて、
特に1:基礎知識を頭に入れるでは「見るだけ勉強法」を取り入れると、短い時間と少ない労力でたくさんの用語を覚えられます。
この「見るだけ勉強法」は、3:問題集を周回するでも使えますし、もっと言えば他の教科の勉強にも応用できます。
過去問を最大限に活かす使い方については、こちらの記事で紹介しているので、この後チェックしてください。
おまけ:出題傾向
さきほど、2021年2月実施の都立入試はそれまでよりも難しくなったとお伝えしました。
が。
これは少し不正確で、より正確には『点数を取りにくくなった」という感じです。
その原因は以下の2点。
- 問題文が長い
- 完答で○の問題が増えた
原因1:問題文が長い
これは単純に、問題に掲載されている文章量が増えたという話です。
文章量が増えると何がまずいかというと、2021年以前の試験よりも、解くのに時間がかかるようになりました。
社会の試験で時間切れってこれまで滅多なことでは起こらなかったのですが、
実際に入試を受けた生徒に感想を聞くと、
「社会の問題、最後まで解き終わらなかった」
という子が少なくありませんでした。
(普段は皆、10~20分余らせて終わる子たちです。)
これが点を取りにくくなった原因1です。
続いて2つ目。
原因2:完答で○の問題が増えた
これは少しイメージしづらいかもしれないので、詳しく説明します。
通常、都立入試の社会の問題は、
1つの問題に対して、1つの選択肢を答える
という形式がほとんどです。
「次の問題に最も適切な答えを、次のア~エから1つ選びなさい。」
のような。
仮に答えがわからなかったとしても、とりあえずア~エのどれかを入れておけば25%の確率で当たるやつです。
しかし、2021年2月入試では「完投型の問題」が増えました。
例えば、
「次の文章が示す国の位置をア~エのうちから1つ、またその国の火力発電の発電量をW~Zから1つ選びなさい(両方できて正解とする)」
のような。
この問題は、
- 国の位置
- 火力発電の発電量
の両方を聞かれていて、しかも両方あっていないと○をもらえないんですね。
ですから、国の位置は正しく選べているのに、火力発電の方が間違っているから×、つまり0点という生徒がたくさんいました。
こういう問題が増えたのです。
もちろん2021年以前もこういう問題はありました。
20問中2問とか。
しかし2021年ではこの手の問題が増えました。
20問中10問くらい。
まさかの半分。
これが点数を取りにくくなった原因2です。
傾向のまとめ
要するに、2021年以前の受験生と同じような勉強をしていては、高得点を狙えなくなる可能性が出てきたという話です。
ですから、自校作成や共通問題上位校を狙う人で、社会80~100点を狙う人は、過去問演習に加えて別途問題集を周回することで、盤石な態勢を整えましょう。